「自分の育ち」を自信に変える!次年度を展望する振り返りのアイデア

執筆者: 藤原友和

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みなさんこんにちは。

北海道で小学校の教員をしております、藤原友和と申します。

気がつけば教員生活も24年になろうとしています。次年度からは指導がうまくいかない時には晴れて「教師生活25年っ…」と言いながら泣くという振る舞いもできるようになることを楽しみにしています(黄色いカエルにまつわる話です。わからなかったら、職場のベテランに尋ねてみてください)。

 

さて、今回は「振り返り」です。

年度末、自分の一年間の成長を言語化し、成果と課題を整理して、新年度に向かう心構えをつくることが大切です。とはいえ、言語化が得意な子もいればそうではない子もいるでしょう。また、キャリアパスポートの取り組みなど、「やることになっている」振り返りの活動も既に教育計画の中には位置付けられているでしょうから、本稿では学級担任の裁量で取り組める楽しい活動をいくつかご紹介することにします。

  • 対象 全学年
  • 時間 30分〜45分程度
  • 場所 教室や体育館

けん玉でもお絵描きでも、バク転でも縄跳びでもダンスでも自作の詩の朗読でも構いません。とにかく自分の好きなもの・得意なものを発表し合い、ただただ見合う会です。

自分の好きなものを発表できるということは、それだけクラスが安心・安全の場所になっているということですから、担任にとっては学級経営のリトマス試験紙のような取り組みになります。また、ここで発表した内容は、新学期にクラス替えがある場合には自己紹介のネタになりますし、「一年生を迎える会」の発表アイデアにも繋がっていくでしょう。

発表会を終えた後に、発表内容を決めた理由や感想を一言ずつ伝え合って終えると、立派な振り返りの活動になります。

  • 対象 全学年
  • 時間 インストラクション10分+任意の期間+共有45分
  • 場所 学校全体

「1人1台端末」を使った取り組みです。任意のテーマ(一番好きな場所、自分が最も成長した場所、黒歴史発生現場など)に合わせた写真を一人一枚撮影し、好みのタイトルをつけます。そして画像データを教師用の端末で集約します。

共有するときには共有フォルダなどで一覧できるようにします。このとき、撮影した児童の名前は伏せておきます。そして、教室のモニタにその写真を一枚ずつ映し出し、誰が撮影したのかをみんなで考えます。適当な時間を配分し、「誰が撮ったのか」「なぜその場所にしたのか」を一人ひとりに発表してもらいます。

楽しい活動の中で、「何について振り返るのか」「どのような育ちを自覚できるようにするのか」が明確になるように教師はファシリテートしていきます。

  • 対象 小学3年以上
  • 時間 45分+45分
  • 場所 教室

書写の時間に、自分の選んだ今年度を表す一字を毛筆で書きます。なるべく友達の書いている字を見ないようにして作品を制作し、提出します。

翌週の書写の時間に、色画用紙の台紙に作品を糊付けする時間をとり、裏返して集めます。そして、本人の元に作品が戻らないように教師側で気をつけて配布します。そして「捜査開始!」の一言で、「誰が書いたのか」探し、「なぜこの言葉にしたのか」取り調べます。

全員の作品がわかったら、感想を交流してからみんなで掲示します。このときには文字を選んだ理由と、制作した児童の名前がわかるように小さなカードなどを準備するとよいでしょう。学年の最後の授業参観の前に取り組んでおくと、保護者の方にも見ていただくことができます。

  • 対象 小学5年以上
  • 時間 15分〜45分
  • 場所 教室

 

これまでの自分が取り組んできた家庭学習の中で、「最もお気に入りのもの」を選び、「どうしたら自分のようにできるのか」を、やや上から目線で相談に乗ってあげる、という体で自分の家庭学習をアピールします。対象を高学年としたのは、教師から提示されたものをやってくる「宿題」ではなく、自ら課題設定をして、方法や内容も自分で決める「自主学習」を前提としているからです。

相談会は学級を二つに分けてポスターセッション方式でもいいですし、学習グループごとでもいいでしょう。また、取り組んでいる内容のジャンルごとに分かれて行ってもよいかもしれません。小規模の学校では異学年交流という形も考えられます。

  • 対象 小学3年以上
  • 時間 10分〜45分
  • 場所 教室

 

クラスの思い出深い出来事や、自分を成長させてくれた出来事など、振り返りの観点を明らかにした4択クイズをつくります。学級の実態に応じて、クイズは個人で作成してもいいですし、グループごとの共同制作でもいいでしょう。係や委員会ごとにつくることも考えられます。

できたクイズはプレゼンテーションソフトなどを活用して発表できるようにするとよいでしょう。効果音や画像なども活用して手の込んだものをつくるのも楽しいですし、シンプルなクイズを朝の会で日直から出題するという進め方でもよいと思われます。

  • 対象 全学年
  • 時間 45分〜90分
  • 場所 教室及び教室よりやや広い場所

 

簡単な名刺をつくり、交換し合う活動です。名刺サイズの枠の中に、氏名、現在の学級(新年度には「元」と書き足します)、「今年一番力を入れて取り組んだこと」「自分の中での最大の成果」を書きます。おまけで好きなキャラクターの絵を入れてもよいでしょう。

名刺ができたら一人当たり5〜6枚ずつ印刷してあげます。そして、ビジネスマンのように名刺交換をしながら自分のがんばりを伝え合います。このとき、伝えられた方は必ずお世辞を言うことをルールとします(全体で活動する前に教師がお手本を見せるといいでしょう)。名刺交換の際には「初対面風」に振る舞うのがポイントです。

気軽に取り組めて楽しい振り返り活動を紹介しました。いずれのアイデアも「自分の育ちを自信に変える」というねらいに向かってルールや進め方をアレンジして取り組めるように、活動の大枠をシンプルに示しました。

しかしながら、楽しい活動は時として「活動あって指導なし」に陥りがちなものです。そうならないようにするためには、紹介したアイデアは活動自体に目的があるのではなく、活動の中で自然と振り返りが行われるように設計してあることに気をつけて進めることです。つまり、交流や共有する場面が盛り上がって楽しいのですが、そこに向かうための個人作業に本質があります。その点を踏まえ、読者の皆さんのアイデアを加えたり、あるいは子どもたちと相談したりしながらやってみてもらえたら嬉しいです。