読書が苦手な先生必見!各教科の授業づくりにおいて参考になる一冊

執筆者: 中村優輝

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「本を読むことが苦手です」

このように感じている先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は私もそうです。恥ずかしながら、本を読むようになったのは、ここ数年のことです。というお話をすると、「中村先生はそんなことはないでしょう」と言われることがありますが事実です。本を読むと眠たくなり、購入したのに読むことができていない本がたくさんあります。しかし本を読むことにより、新たな学びがあることも事実です。このままではいけないと感じ、本屋さんに行ったり、仲間におすすめの本を紹介してもらったりしたことが何度もありました。


今回は、本を読むことが苦手な私でも読みやすく、さらに即実践として生かすことができ、授業づくりにおいて参考になった5冊を紹介します。教科は、国語科、体育科、理科、社会科、道徳科です。学習指導要領解説にも記されている、各教科の指導において大切となる内容がわかりやすく記されております。この「わかりやすく」が本を読むことが苦手な私にとって大切になってきます。


それでは、本編に参りましょう。

国語科を中心に記されている、土居正博先生の著書です。この本は、物語文や説明文の読み方や指導法に関するものではありません。本の帯にも記載されている通り、授業のはじめやモジュール学習にも活用できるような実践が多いです。


キーワードは、『継続性があること』『ねらいに直結していること』『子どもが夢中になる工夫がされていること』『子どもを育てること』の4点です。楽しいし、学びが深まる。それって最高ですよね。そんな『基礎トレ』が30も紹介されています。


継続することの大切さについて、算数科で考えてみました。授業のはじめや宿題などで、計算問題を繰り返し学習することが多いのではないでしょうか。国語科ではどうですか。算数科ほど、継続した学習ができていないことはありませんか。土居先生の著書から学ぶ前の私は、まさしく継続した学習ができていなかったと思います。



この本に記されているおすすめの『基礎トレ』を紹介します。漢字学習編では『漢字ドリル音読』『漢字テスト熟語書き込み』『熟語分析』音読編では『間違えるまで読み』『1分間高速読み』の5点です。準備物も少なく、取り入れやすい実践ばかりです。


『漢字ドリル音読』は、タイムを測ってひたすら漢字を読みます。昨日の自分と比べることで成長している自分を客観視しやすいです。また、『漢字ドリル音読』を通して学んだことが、『漢字テスト熟語書き込み』にもつながってきます。


『間違えるまで読み』は、文字通り間違えるまで教材文を読み続けます。土居正博先生の実践を本学級に合わせ、内容を一部変更していますが、私の学級では、間違いが見つかれば、静かに挙手します。そして教材を読む児童は立候補制にしていますが、読みたいと手を挙げる児童がたくさんいます。また『間違えるまで読み』は、読んでいる児童だけではなく、聞いている児童にも学びがあります。クラスメートが一文字ずつ正確に読むことができているか真剣に聞くからです。


みなさんも土居先生から学び、毎日の国語科の授業をさらに充実したものにしていきませんか。

筑波大学附属小学校の齋藤直人先生の著書です。この本は、タイトルにもある通り『対話』がキーワードになっています。体育科の教育書では『開脚前転のポイントは〇〇』『〇〇を意識すると、ハードル走のタイムを縮めることができる』といった技能向上をねらいとした本をよく目にします。もちろん私も、そのような本も参考にしています。


齋藤先生の『対話でつなぐ体育授業51』を読むと、技能面だけでなく、子どもたちの『対話』『つながり』がはっきりと見えてきます。きっと「そうか。マット運動では、こんな声掛けをすると、子どもたちが協力しながら取り組みやすいのか」「少し工夫するだけで、こんなにも子どもたちが熱中するんだ。単元の途中に取り入れてみよう」と参考になる点がたくさんあると思います。体育科における対話って何だ?と思われた方、是非読んでください。体育科の授業が大きく変わりますよ。また、教材名(技の名前)やその技を取り入れるとよいおすすめの学年が記載されている点も参考にしやすいと感じました。


さらに私たち読者にとってわかりやすいと感じるものがありました。それは、写真です。齋藤先生が子どもに声を掛けている様子子どもたちの動きが、写真から伝わってきます。その写真も1枚ではありません。1つの教材につき、5〜10枚程度の写真が掲載されています。写真があることにより、齋藤先生に直接、体育科について指導していただいているように感じました。


この本は体育科の本ですが、体育科の指導を通して、よりよい学級づくりにもつながるでしょう。学級経営でも『対話』が大切になってきますよね。子どもたちの『つながり』も大切ですよね。齋藤先生の著書から体育科、そして学級経営について学びませんか。

文部科学省教科調査官の鳴川哲也先生、山中謙司先生、寺本貴啓先生、辻健先生の著書です。私は、学級担任として2度目の理科の学習を担当した年に、この本を読み始めました。「理科の学習ってどうしたらいいのかな?」「もっと楽しく、観察や実験を行うことができないかな?」などいろいろな悩みがありました。


この本にはタイトルにもある通り、たくさんのイラストが載っています。そのため、読みやすく大切なポイントが簡潔にまとめられています。「理科で大切なことはこれがすべて!」と書かれていることにも納得です。理科の学習における「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」とは何かについても記されているため、日々の授業づくりにも活用できるでしょう。


私がこの本から、一番学んだことは、理科の見方・考え方です。特に、学年ごとに重視したい考え方についてです。3年生は『比較する』4年生は『関係付ける』5年生は『条件を制御する』6年生は『多面的に考える』それぞれ問題解決の力と関わっています。


例えば3年生の学習では、ヒマワリやホウセンカなどの植物を育てます。「ヒマワリやホウセンカの種を見てください。どんなちがいがありますか?」色や形、大きさなどに着目する子どもたちが多いでしょう。この比較を通して、それぞれの特徴を捉えることができます。


また、時間を通して比較することも大切です。
「先週と比べて、どんな成長をしていますか?」

子どもたちは葉の枚数に着目することが予想されます。ここでさらに比較することができます。


「子葉と新しく出てきた葉を見てみましょう。何か気づいたことはありませんか?」きっとギザギザしているなど形のちがいに気づくでしょう。ここでも比較を通して、葉の形が異なるという特徴を捉えることができます。


この本には、続編として『イラスト図解ですっきりわかる理科 授業づくり編』も発売されています。こちらもおすすめです。本書で、理科という教科の特徴について学びませんか。

社会科を中心に記されている、宗實直樹先生の著書です。今回は、5教科の授業づくりについての記事を書かせていただいていますが、その中でも私は社会科の指導が一番苦手です。特に、今よりも若いころは「社会科は暗記する言葉が多い。テストでいい点数を取らせてあげるように授業を工夫しよう」と考えていたと思います。恥ずかしい話です。


社会科に関する本を何冊か読みましたが、宗實先生の『宗實直樹の社会科授業デザイン』が一番興味深かったです。


この本のポイントは『豊かさ』です。「社会科は人生を豊かにする教科」という一文からこの本は始まります。『「見えないもの」を見えるようになることが「豊かさ」につながる』『当たり前に何となく見えていた社会が少しでも違って見えると感じることが「豊かさ」につながる』と記されています。では、そのような授業を展開するために私たちに必要なものとは何でしょうか?そのヒントは『学習指導要領解説 社会編』にあります。学習指導要領解説に、単元で獲得させたいことが明確に記載されています。


「ではどのように学習指導要領解説を読めばいいの?」


このような質問が聞こえてきそうですが、読み方は宗實先生がこの本に詳しく書いてくださっています。


(学習内容)について(見方)に着目して(調べ)(思考)を通して、(知識)を理解できるようにする。」


きっと私は、知識を理解できるようにするという点ばかりに気を取られていたため、暗記することが多いと捉えていたのでしょうね。


この本を再読したとき、あることに気が付きました。私たち読者が自然と社会的な見方・考え方を働かせるための工夫です。それは、表と写真です。きっとこの2点が効果的にはたらき、読者の理解を促進させたのではないかと感じました。


その他にも『比較』に特化した授業づくり、新聞記事や現地で撮影した写真を活用した教材のつくり方などが記されています。宗實先生の著書から学び、社会科の授業に豊かさを取り入れませんか。

前・文部科学省教科調査官、十文字学園女子大学教授の浅見哲也先生の著書です。まず初めにお伝えしておきたいのは、冒頭にも記した『わかりやすさ』についてです。


「教科調査官の本だから、難しい内容なのでは?」


そんなことはありません。この本は道徳科の授業づくりをラーメンとカレーライスをつくる過程に例えた話から始まります。もちろん道徳教育や道徳科に関する大切なキーワードもたくさん記されていますよ。


私は、この本を初めて読んだとき「まるで、学習指導要領解説 道徳編の解説書みたいだな」と感じました。『道徳教育と道徳科、それぞれ目標にはどんな違いがあるの?』『主題名ってよく聞くけど、どういうこと?』『内容項目と道徳的価値って何が違うの?』『価値理解、人間理解、他者理解ってどういう意味?』『多面的・多角的って同じ意味なの?』など書き始めるとまだまだありますが、道徳教育そして道徳科の授業づくりに大切なことばかりが記されています。


またこの本は、理論的なことばかりが記されているのではありません。道徳科の指導方法道徳科の評価浅見先生の授業構想といった実践についても記されています。そのため、第3章までに理論的なことについて学び、第4章以降は先生方の授業に生かすことができるでしょう。特に授業構想に関しては、『かぼちゃのつる』『よわむし太郎』『手品師』(小学校)など、『二通の手紙』『二人の弟子』(中学校)といった定番教材の実践が記されています。それぞれの教材に、内容項目について、発問、役割演技、板書計画などを浅見先生が詳しく解説してくださっています。


浅見先生から道徳について学び、明日以降の道徳教育や道徳科の授業を充実したものにしていきませんか。

中村優輝(なかむら・ゆうき)

勤務校:奈良県大和郡山市立平和小学校

内容項目から始めよう 直球で問いかける 小学校道徳科授業づくり』東洋館出版社

『リレー連載「一枚画像道徳」のススメ』みんなの教育技術

『生徒指導提要を現場の目線で読む』東洋館出版社

『道徳教育』明治図書出版 2022年1月号、2023年1月号、4月号に寄稿。

『授業力&学級経営力』明治図書出版 2022年4月号に寄稿。

道徳科の授業づくりを中心に学び

『子どもと共に考え、共に本気で迷う授業』を目指し、日々奮闘中。

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