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月刊 初等教育資料2024年11月号

ISBN: 4910044351142

文部科学省教育課程課・幼児教育課/編

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商品説明

特集Ⅰ
幼児教育と小学校教育の円滑な接続の推進・充実

現行の幼稚園教育要領等と小学校学習指導要領において、幼児教育と小学校教育の円滑な接続の重要性が示されてからすでに7年が経過しています。この間、令和3年7月には、幼児教育の質的向上及び小学校との円滑な接続について専門的な調査審議を行うため、中央教育審議会初等中等教育分科会の下に「幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会」が設置されました。令和5年2月にはその審議のまとめとして「学びや生活の基盤をつくる幼児教育と小学校教育の接続について~幼保小の協働による架け橋期の教育の充実~」が取りまとめられました。
 一方、幼児教育と小学校教育では、教育課程の構成原理が違うことなどにより、幼児期において育まれた資質・能力の基礎と、各教科等において育みたい資質・能力とのつながりが分かりにくいなどの声もあり、一部の幼児教育施設において小学校教育の前倒しをしていたり、小学校において子供の中にある学びのつながりについての理解が十分に深まっていなかったりするといった課題が挙げられていました。
 そこで、本特集では「幼児教育実態調査」を基に、語り合う場や研修体制の充実等の現状について解説します。また、学びの連続性を意識した、幼児期の遊びを通した学びを各教科等の学びに生かす工夫について掲載します。本特集を令和6年に公表された「幼児教育と小学校教育がつながるってどういうこと? ―幼児教育と小学校教育の円滑な接続のための参考資料―」と合わせてお読みいただき、各地域における幼児教育と小学校教育の円滑な接続の推進・充実につなげてください。

特集Ⅱ
学習指導要領における指導のポイント[理科]
問題解決の力の育成に向けた理科の指導の工夫

理科の目標は、「自然に親しみ、理科の見方・考え方を働かみせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す」とされています。つまり、小学校理科は、「見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して」といった問題解決の過程を通して理科で育成を目指す資質・能力を育むことが示されているのです。それを受け、『小学校学習指導要領解説 理科編』には、問題解決の過程として、「自然の事物・現象に対する気付き」「問題の設定」「了予想や仮説の設定」「検証計画の立案」「観察・実験の実施」「結果の処理」「考察」「結論の導出」が考えられることを例示されました。
 また、「思考力、判断力、表現力等]については、各学年で主に育成を目指す「問題解決の力」として、「差異点や共通点を基に、問題を見いだす力」「既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する力」「予想や仮説を基に、解決の方法を発想する力」「より妥当な考えをつくりだす力」が具体的に示されました。
 さらに、これら4つの「問題解決の力」それぞれに、「この力を育成するためには、自然の事物・現象同士を関係付けたり、自然の事物・現象と既習の内容や生活経験と関係付けたりすることが大切である」等の指導における留意点$もや示されています。
 このように、問題解決の過程を例として示したことや、育成する「問題解決の力」が明確になったことで、各校の理科の授業において、子供の主体的な問題解決の活動が展開されているところです。以前は、「今日の実験の方法です」といって、黒板に実験の方法が貼られる授業が散見されましたが、子供自身が予想や仮説を基に、解決の方法を発想する姿が見られるようになっています。これは、全国的に理科の目標について理解が深まり、効果的な指導の工夫が見いだされつつあることの表れでしょう。
 しかし一方で、理科の指導に課題を感じている教師は多い現状があります。特に、問題を見いだす場面において課題が多く見受けられます。そこで、本特集では、主に4つの「問題解決の力]を育成することについて、解説、論説そして実践例を通して、これらの力と指導の工夫の具体を子供の実態を基にしながら明らかにしています。本特集では、「思考力、判断力、表現力等」としての「問題解決の力」を扱っていますが、「知識及び技能」「学びに向かう力、人間性等」も合わせて、資質・能力をバランスよく育成することにも留意することが必要になります。