理科でつくるウェルビーイングー幸福で充実した人生を送るための学びー
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商品説明
「ウェルビーイング」こそ、学びの最前線
本書の概要
子どもたちは何のために学ぶのでしょうか? 教師は教科ごとの目標を達成するために授業をデザインしますが、子ども自身は教科の目標を達成するために生きているわけではありません。幸福で充実した人生のため、すなわち「ウェルビーイング」のために、教科の学びが貢献しなければ意味がない。本書では、この信念に基づき、理科の学びをウェルビーイングの視点で捉え直しました。予測困難な時代を生き抜く子供たちのために、理科授業だからこそできる学びを提案する一冊です。
本書からわかること
ウェルビーイングって何?
ウェルビーイングとは、心身ともに健康で、幸福な状態が持続していること。PISA2015調査では、「生徒が幸福で充実した人生を送るために必要な、心理的、認知的、社会的、身体的な働き(functioning)と潜在能力(capabilities)である」と定義されています。これまでの教育ではあまり注目されてこなかった「健やかさ」や「幸福度」といったものが、国際調査の視点として提示されたことで、ウェルビーイングは教育界でも注目のキーワードとなっています。
ウェルビーイングに向けた学びが問われる今
国際的な流れの中で、日本でもウェルビーイングに向けた学びが問われています。「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(答申)」(令和3年1月26日)では、ウェルビーイングの用語が用いられ、答申全体を貫く基本的視座となっています。また、「教育再生実行会議第十二次提言」(令和3年6月3日)では、ポストコロナ期における新たな学びの在り方を考えていくに当たって、ウェルビーイングの理念の実現を目指すという結論が示されました。
ウェルビーイングを実現するためのエージェンシー
OECD「ラーニング・コンパス2030」の中では、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動することを意味する「エージェンシー」が各々に必要だとされています。また、主体性が重視されている一方で、その実現のためには教師や仲間、保護者や地域の協力が欠かせないため、「共同エージェンシー」という概念も示されています。本書では、これらのエージェンシーが発揮される理科授業について、具体的な場面を示しながら解説をしています。
エージェンシーを発揮するためのコンピテンシー
OECD「ラーニング・コンパス2030」では、エージェンシーを発揮するために必要なコンピテンシーについても定義されています。これは、知識、スキル、態度及び価値を含む包括的な概念です。本書では、「新たな価値を創造する力」「対立を克服する力」「責任ある行動をとる力」という3つのコンピテンシーを挙げ、それらを育む理科授業の在り方について解説しています。
幸福で充実した人生を送るための理科の学びとは
本書では、ウェルビーイングの視点を取り入れた理科授業の実践例を9本紹介しています。「命の教育」「拡がる学び、越える学び」「科学の進展」という3つのカテゴリーごとに示された意欲的な実践を通して、これからの時代に求められる授業づくりの新たな視点を獲得できることでしょう。