算数授業研究 No.156 子どもに委ねるーなぜ、委ねるのか?教師はどう関わるか?ー
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商品説明
編集後記より
今年度,「個別最適な学び・自由進度学習」といった「学び方」の改革を目指すワードをテーマに掲げる研修会に多く参加した。
それらの多くは,「資質・能力の向上」「数学的な見方・考え方をよりよく身に付ける」「内容の理解を確かなものにする」を目指すというよりも,「個に応じる,新たな学ばせ方」を提案するものばかりであった。また,授業を参観すれば,「個別に学習しているだけ」の授業もいくつかあった。
このような,「学ばせ方」ばかりが重視される最近の教育改革には,大きな不安を感じてならない。そんな思いが,本号テーマ「委ねる」を掲げたきっかけなのである。
「委ねる」には,これまで以上に,個に対する教師の細かな見取りが必要だと私は思っている。個別に学ぶ一人一人に対して,「今どのように学びを進めているか」について度々話を聞き,また,適宜ノートに目を通しながら,数学的な見方・考え方が確かに働いているかを細かく確認し,もし,働いてなければ,その個に対し,どの手立てを打たなければならないかを考えなければならない。
このように,「委ねる」には,教師の大きな責任が伴うのである。はたしてそのようなこのようなことを私がやりきることができるのか。今の時点では,その答えは出せていない。
個の学びが求められる今,本誌が,これかの算数教育の在り方を考えるきっかけになれば幸いである。丁寧に編集作業をしていただいた,石川夏樹氏に感謝申し上げる。
(大野 桂)