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月刊 理科の教育2024年10月号

ISBN: 4910093131047

一般社団法人日本理科教育学会/編

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学習としての評価

評定にするだけではなく、生徒が学びのなかで自己を振り返る評価についてよくわかりました。

商品説明

特集:「学習支援」に活かす「学習評価」

創意工夫の詰まった学習評価の実践を紹介

現行の学習指導要領では「学習評価」の基本的な考え方として、児童生徒の学習の成果を的確に捉え、教師が指導の改善を図るとともに、児童生徒自身が自らの学習を振り返って次の学習に向かうことができるようにすること、つまり教師の指導改善と児童生徒の学習改善につながるものとすることが示されました。「学習評価」については本誌でもたびたび、様々な角度から特集に取り上げる、古くて新しいテーマです。
2023年度に行われた「『理科の教育』公開編集委員会」では、オンラインと対面で計2回、「学習評価」をテーマとし、集まっていただいた先生方と抱いている違和感、困り感を語り合ったり、実践事例の紹介をし合ったりしながら、幅広く「学習評価」について議論することができました。参加された先生方の声を紹介すると、「(自身の)学習評価は指導改善・学習改善につながっているのだろうか」という不安の声や、「校内で方法や規準が共有できていない」「主体的に学習に取り組む態度と、思考・判断・表現の境目が曖昧で自分の評価に自信がもてない」などの声が上がってきました。
このように、公開編集委員会に参加するほど意欲的に取り組んでいる現場の先生方でさえ、迷いや不安を抱えている現状が見えてきたのです。一方で、個々の先生方から出てきたのは、評価の難しさを語るだけではなく、そのような状況を打破すべく、試行錯誤を重ねて いる授業実践や研修の様子でした。
ある先生は「資質・能力を正しく評価するためには、 曖昧だった評価規準を明確化し、 可視化する作業が必要となる。主体性や思考力といった数値化しにくいことを評価する際には、特に『妥当性と信頼性』を重視する必要がある」と言い、児童生徒自身が「何をどう評価されているのかわからない」状況では、自ら学習改善を行うことができないと話しました。そして、 その現状を解決していくために、「評価規準を児童生徒に示したり、時には一緒に作ったりする実践」を教職員間で共有した効果を生き生きと語ってくれました。
また、熟達者の先生方の「児童生徒の現状を見取る『匠の技』の継承」の必要性も話題になりました。しかし一方で、学習評価に関しては若手の方がより新しい知識を勉強しているケースもあるでしょう。児童生徒の可能性を伸ばす取り組み(工夫)であれば積極的に継承していきたいですが、新しい評価観と継承されるべき児童生徒を伸ばす指導とをどのように融合させていくか、今までの効果的な指導と評価を組み合わせ、一体的にそのサイクルを回していくことが重要なのではないかという話も出てきました。
オンラインと対面のどちらの議論においても、 学習評価の先にある「子どもたちの学習改善」と「先生方の指導改善・授業改善」が大切というゴールの姿は一致していると言えます。評価に関しての「疑問」や「課題」 については、多くの先生方に共通していました。
熱意ある先生方の試行錯誤の様子は、困っている先生方の道しるべとなるでしょう。全国的にも多くの学校で創意工夫の詰まった実践が日々行われています。そこで、本特集では「学習支援」に活かす「学習評価」を模索する様子を紹介します。多くの先生方の実践事例、その成果・課題について広く共有していくことで、「学習評価」の新たな側面を見つけていきたいと考えます。

(『理科の教育』編集委員会)