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月刊 特別支援教育研究2025年1月号

ISBN: 4910068370150

全日本特別支援教育研究連盟/編

セール価格 920(税込)
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商品説明
「特別支援学校学習指導要領解説 各教科等編(小学部・中学部)」(平成30年3月)では、知的障害のある児童生徒への教育的対応の基本として、「児童生徒の興味や関心、得意な面に着目し、教材・教具、補助用具やジグ等を工夫するとともに、目的が達成しやすいように、段階的な指導を行うなどして、児童生徒の学習活動への意欲が育つよう指導する」とあり、困難性のある児童生徒に対し「できる状況」をつくることで学習活動への意欲を高め、子供の学びの質を高めていくことの重要性が記されています。
本誌では、平成29年度より常設欄において「できる状況づくり」を取り上げてきました。全国各地での実践を紹介し、「できる状況」をつくることで子供たちが「やりがい」や「手ごたえ」を感じながら、学校生活を送ることの大切さについて、約8年間継続して連載してきています。
また、全日本特別支援教育研究連盟の元理事長であられる故・小出進先生は、知的障害のある子供たちのことを「『できない子』と思われがちであるが、そうではなく『できない状況に置かれがちな子』と受け止める」と表現をされていました。当たり前のことですが、困難性のある子供たちに対して、何の手立ても講じないままでは「できない」ことや失敗が多くなります。しかし、一人一人に対して「できる状況」がつくられれば、子供たちは「できる姿」を見せるようになります。「できた」という手応えを感じ、自分で「できる」と思える体験を積み重ねることで、やりがいを感じて主体的に取り組む姿が育っていきます。
「できる状況づくり」とは、「めいっぱい活動できる状況」と「首尾よく成し遂げられる状況」をつくることを意味しています。その両方の状況がつくられれば、子供たちは主体的な姿を見せてくれます。「できる状況づくり」は、子供主体の学校生活づくりには、必要不可欠なものです。間違った解釈を受けることもありますが、「できる状況づくり」とは、決して何も考えなくても簡単にできてしまうという状況をつくることではありません。自ら考え行動できるようにするための「状況づくり」も含まれているため、その後の本人の思考・判断、活用することが大事であり、そのことも重要視しています。
「できる状況づくり」は、教科別の指導での「教材・教具の工夫」だけに留まらず、各教科等を合わせた指導や日常生活の支援等を含め、学校生活全般にわたって行われるべきものであると考えます。
そこで本特集では、「子供の学びの質が高まる『できる状況づくり』のすゝめ」と題し、これまでも知的障害教育で大切にしてきた「できる状況づくり」について、通常の学級も含めた特別支援教育の中でどのように考え、実践していくことが子供たちの主体性を育み、子供の学びの質が高まることにつながっていくのかを考える機会とします。